内部告発した乗務員の雇い止めは無効 京都地裁、エムケイに命令
タクシー会社「エムケイ」(本社・京都市北区)の乗務員・小島勇さん(63)が、同社の白タク行為を内部告発したことを理由に雇用契約を更新しないのは不当だとして、地位保全などを求めた仮処分申し立てで10月31日、京都地裁は雇用継続と月20万円の賃金仮払いを命じる決定を下しました。
小島さんは昨年8月、営業所長も関係した白タク行為について労働組合役員として労組決定に基づいて調査していましたが、労組は一転調査を終結するよう圧力をかけました。小島さんは、「不正行為をうやむやにできない」として警察に告発。こうした中、1年ごとの有期雇用契約を結んでいた小島さんは、過去2度更新されていましたが、今年5月で突然雇い止めとされました。
決定では、内部告発を事実と認めた上で、雇い止め理由とされた労働組合の制裁処分は相当でないと指摘。雇い止めは「解雇権の乱用」として無効と結論付けました。
決定を受けた小島さんは、「企業倫理の欠如が言われる中、不正行為をただしたくて声を上げました。『労組』とは名ばかりで、会社と一体となって不正もみ消しや労働者いじめをするエムケイ労組も許せませんでした。主張が認められたことはうれしいですし、たった1人の労働者のために絶大な支援をしてくれた自交総連のみなさんにも感謝しています」と話しています。