平和のための伏見戦争展 「今、歴史の転換点に立っている私たち。平和のために何ができるのか? 伏見の歴史をしっかりふりかえりながら、みんなで考えてみませんか!」と呼びかけた「09年 平和のための伏見戦争展」(同実行委員会主催)が12、13の両日、伏見区墨染のそうぞう館で催されました。「憲法9条で21世紀に平和を創る伏見共同シンポジューム実行委員会」「京都教育大学教職員組合」などが協賛したもの。
 今回は伏見にあった戦前の第16師団が果たした歴史的な足跡をふりかえるパネル展やスライド報告が行われ、同企画を立案した村上敏明さんは、「16師団跡を訪ねるだけでなく、同師団による中国やフィリピンなどでの残虐な侵略行為や兵士のほとんどが戦死した師団の実像を明らかにして、反戦と憲法9条を守る意義を後生に伝えたい」とし、中国や沖縄を探索し、図書館で発掘した資料などをもとに作成したパネルやスライドを使って報告しました。
 パネル展は「伏見の戦跡」「南京攻略」「沖縄戦」「満州事変」の4部門で現地の写真や当時の「京都日々新聞」「朝日新聞」などが展示されました。向日市から訪れた女性は「わたしが5歳の時、父は宮津から中国へ出兵しました。生きて帰ってきましたが、真相はどうだったのか知りたかった」とパネルに見入っていました。
 13日には同師団の戦跡巡りや村上氏、岩佐英夫弁護士、三宅成恒医師らの平和を求める活動などが報告されました。
 このほか、絵本「てっぽうをもったキジムナー」の朗読やシンガーソングライターのケイ・シュガーさんのコンサートなども行われました。(写真は来訪者に説明する村上さん=左から3人目)(仲野良典)