秘密保護法を知り 廃止へ共同しよう 小笠原伸児弁護士の講演(2)
市民運動を「テロ」と干渉
治安情報のもうひとつとされるテロリズム防止に関する規定はもっとひどい。
政治上その他の主義主張を国家や個人に強要することがテロと読めます。市民運動は、一定の主義主張に基づいて国に政策変更を求める活動をします。市民のみなさんが関電京都支店前で反原発の声を上げるのも、テロだと断定される危険性があります。しかも、スパイやテロを扱うのは警備公安警察で、犯罪捜査の名目で市民運動に関与、干渉してくる可能性があります。
安倍首相は採決直前になって、「情報保全諮問会議」「情報保全監察室」「独立公文書管理監」「情報保全監視委員会」の設置を言い始め、「何層ものチェック機能が働くので問題ない」と説明しました。しかし、この説明を受けた審議は全くされませんでした。
「情報保全諮問会議」は、有識者会議のことを指しているようですが、秘密指定の基準について意見を述べるだけです。秘密指定が適正かどうかについては一切関与しません。「情報保全監視委員会」について、安倍首相は事務次官級で構成し、これが一番強力な機関だと説明しました。しかし、同機関の根拠及び権限の規定はどこにもありません。(「週刊しんぶん京都民報」2014年1月12日付掲載)