ゆかりの綾部で29日上映会 少年の更生支えた留岡幸助の生涯描く『大地の詩』
「不良少年の更生の父」と呼ばれた留岡(とめおか)幸助(1864~1934年)の生涯を描いた映画『大地の詩』」(2011年、山田火砂子監督)の上映会が29日午後1時半から、同市のI・Tビルで開かれます。綾部市に本社があるグンゼの創業者・波多野鶴吉が留岡から洗礼を受けるなど、同市と縁があることから市民有志でつくる「留岡幸助 綾部顕彰会」が企画しました。
同会の代表で農家民宿「イワンの里」を経営する秋元秀夫さん(61)は、5年前に京都市から移住した同市の歴史を調べる中で、留岡を知りました。留岡が「温かい家庭で育つ子は道を外さない」と開設した「家庭学校」のある北海道・遠軽町は、偶然にも自身の出身地。学校周辺は「留岡」という地名で、小学生の時に同校を見学したことも思い出しました。映画が製作されているのを知り、上映会実施のため、このほど同会を立ち上げました。
留岡は、岡山県出身で、キリスト教に入信し同志社大学で新島襄に師事。現在の福知山市で牧師を務めた後、北海道に渡り監獄の教誨師になりました。監獄学の研究のため渡米。帰国後の1914年に開いた「家庭学校」は昨年、開校100周年を迎えています。
映画は留岡役を村上弘明、妻の夏子役を工藤夕貴が演じています。秋元さんは「親子のあり方や家庭をめぐる状況、人生観など現在の人々に問いかけるものがあると思う。多くの人に見てもらえれば」と話しています。
500円(高校生以下無料)。問い合わせ先は秋元さん℡0773・21・1648。