京都会館保存改修アピール 京都市が進める京都会館(左京区岡崎)の全面建て替え計画は納得できないとして、建築史家の鈴木博之・東京大学名誉教授ら10人の建築家らが10日、建物の価値を尊重した保存改修に改めるよう求める賛同署名を呼びかけました。同日までに、全国の著名な建築家や文化人、研究者69人が賛同し、反響が広がっています。
 呼びかけ人は、鈴木氏をはじめ木村重信・大阪大学名誉教授のほか、京都在住の松隈洋・京都工芸繊維大学教授、前田忠直・京都大学名誉教授、山崎泰孝・元近畿大学教授、吉村篤一・元奈良女子大学教授の各氏らです。
 署名は、門川市長宛ての要望署名。主旨文では、京都会館が「日本建築学会賞を受賞するなど、高く評価された建物」にもかかわらず、市の建て替え計画で「建物の価値が大きく損なわれ、周囲の落ち着いた景観が破壊される」と指摘。同館の再整備に当たっては、▽岡崎地区の景観を守り育てる▽市民と利用者の意見を反映する▽開館当初の理念に立ち返り、市民のための施設とするーなど7項目を満たす計画に改定するよう要望しています。
 賛同人には、五十嵐淳(建築家)、石井聖光(東京大学名誉教授、京都会館音響設計者)、柏木博(デザイン評論家)、篠田正浩(映画監督)、内藤廣(建築家、東京大学名誉教授)、槇文彦(建築家、東京大学名誉教授、京都国立近代美術館設計者)、三上祐三(建築家、東急文化村オーチャードホール設計者)の各氏らが名前を連ねています。
 署名は、「京都会館」再整備計画の見直しを求める署名からも可能です。問い合わせ先は、kyotokaikan.taisetu@gmail.com(京都会館を大切にする会)。