KBS京都開局60周年 KBS京都が今年12月に開局60年を迎えることを記念し、市民とともに番組制作してきたことを振り返り、未来を語るつどいが23日、京都市東山区の東山いきいき市民生活センターで開かれ、関係者や市民ら30人が集まりました。京都ジャーナリスト9条の会主催。
 シンポジウムは3部で行われ、司会を隅井孝雄京都ノートルダム大学客員教授、コーディネーターを元ディレクターの町田寿二さんが務めました。
 1部では元音楽番組ディレクターの川村輝夫さん、元アナウンサーの飛鳥井雅和さんらが市民と連携した番組製作について振り返りました。町田氏は、労組や市民団体などがスポンサーとなってカンパで番組制作するなど、市民とともに作ってきた歴史を紹介し、川村氏は、フォーククルセイダーズの「イムジン河」が発売中止となった後もラジオでかけ続けたエピソードなど紹介。飛鳥井氏は、「タイムリー10」などのニュース番組に携わった経験を振り返り、「生放送中に寄せられた市民の意見に応えるなど、つねに地域密着、双方向の放送を目指していた」と述べました。
 2部では、元KBS労組委員長の岡田浩司さん、元「市民のためのKBSをめざす実行委員会」幹事の笠岡英次さんらが、1994年に経営陣の不祥事から会社更生法が適用され、2007年に更正手続き終結するまでの再建のたたかいを振り返りました。
 笠岡氏は、同実行委員会結成の経緯について紹介。関西電力が原発推進番組をつくらせたことに対し、住民らが反論番組をつくらせるたたかいの中で結成したと述べ、「原発CMをやめさせるたたかいをもっとすべきだった」と述懐しました。
 岡田氏は、市民らの40万人分の署名運動などで再建を支持されたと述べ、「先輩方が『市民に開かれた放送』をつくってきたことが再建運動へつながった。これからも市民と連携した番組制作を続けてほしい」と訴えました。
 3部で、現役世代として蔵内伸一KBS労組委員長、湯浅勝営業部長らが現在の取り組みを報告。蔵内氏は、自らも偽装請負の状態からたたかいで正社員となった経緯を紹介し、「5年間で非正規労働者20人を正社員化してきた。このたたかいをさらに発展させるとともに、完全な再建目指してがんばりたい」と訴えました。