原発ゼロ講演会 若狭湾の原発群から80キロ圏内に入る京都から「原発ゼロ」を目指そうと討論と対話を呼びかけている原発ゼロ・「京都アピール」呼びかけ人主催による講演会が10日、京都市伏見区の龍谷大学で開かれ、市民や学生ら377人が参加しました。
 講演会では、大島堅一立命館大教授が司会を務め、安斎育郎・立命館大学名誉教授、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長、e-みらい構想の長谷川羽衣子代表が問題点や今後の課題などについて話しました。
 安斎氏は、現状と被害の実態、原因、責任、今後何が出来るのか、の5分野でそれぞれ何が明らかになり、見えて来たのかを解明。溶け落ちた燃料棒を取り出す技術が現在ないことや放射能が広島原発の数百倍も出されたという事実を示しながら、「過度に恐れず、事態をあなどらず、理性的に怖がる」ことを強調しました。そしてアメリカの対日エネルギー政策から自立できない日本政府や電力資本や産業界、原子力の専門家、マスコミ、自治体などの責任を追及し続けることとともに、原発に頼らず、国民が自ら電力を選択する“エネルギーデモクラシー”の運動を起こしていこうと呼びかけました。
 飯田氏は、世界で太陽や風力などの自然エネルギーが急速に増えており、あと5年で原発設備容量を超えるかも知れないと述べ、「日本のエネルギー政策を転換するには人々が覚悟を決めてやり抜くことだ。そのことで社会が変わっていく」と主張しました。
 長谷川さんは、脱原発の運動の中心に子どもを持つ母親がいることを指摘、「だれでも参加できる楽しいパフォーマンスで運動をもっと広げよう」と呼びかけました。
 前進座女優の柴野明日香さんが、自らもかかわる脱原発の運動とともに東京で広がっている、放射能から子どもを守る運動を紹介し、龍谷大学の三島倫八教授が連帯の挨拶をしました。
 「京都アピール」としての講演会は今後、立命館大学や京都大学などでも計画される予定です。問い合わせ先は事務局TEL080・1103・7182(上條)。