江戸の絵師・原在中の作品 聖護院でおひろめ
江戸末期、宮中に仕えた絵師・原在中(1750─1837)の襖絵(ふすまえ)「群馬ノ画」がこのほど聖護院門跡(京都市左京区)の応接間に飾られました。
原在中は、円山四条派や土佐派などの技法を学び独自の画風を築いた原派の祖。天明8年(1788)の大火で御所が焼失し、光格天皇が寛政年間(1789─1801)に内裏を造営した際、円山応挙らとともに襖絵を制作しました。
「群馬ノ画」は大火後、聖護院に仮御所がおかれた際、女御などが住む中御殿に飾られていたもの。山、滝、松、柳などを配し、86頭の馬が描かれています。
聖護院門主の宮城泰年さんは「この絵は、人、馬、自然が調和する世界をあらわし、見るものの心を安らかにします。傷みがひどかったので1年かけて修復し、なんとか飾ることが出来ました」と語っています。