20120104-04.jpg 真冬の府立植物園(京都市左京区)は、温室や鉢植えなどを除いて花は極端に少なく来訪者もまばらです。それでも植物園正門(南門)から入ったすぐ前に正月雰囲気たっぷりの葉ボタン約700株がみごとに花咲かせています。
 葉牡丹はアブラナ科アブラナ(Brassica)属でハクサイ、カブ、ミブナ、カラシナやキャベツの仲間。英語でもornamental cabbage(装飾用のキャベツ)と言い、園芸植物として花でなく白、紫、黄、緑、桃など色とりどりの葉を鑑賞します(味はキャベツより少し落ちますが食べられます。しかし、食料野菜へは禁止の農薬が付いているかも知れませんので要注意)。品種は大きく3種で、日本に江戸時代に渡来したヨーロッパ原産の葉が平滑な東京丸葉、同じヨーロッパ原産で江戸中期に渡来した葉の先が大きく縮れている名古屋縮緬(ちりめん)系、戦後にこれらとキャベツなどを交配改良し葉ボタンの雑種といわれる葉が波うつ大坂丸葉があります。中央部と周りの葉の色や縮具合が違うものなど多様です。
 同植物園の牡丹花壇には、紅くじゃく、白つぐみ、桃つぐみや紅つぐみなど東京丸葉、名古屋縮緬ととりどりです。花は暖かな5月頃に中心部から1本の枝状の薹がニョキニョキと伸び上がって先端に黄色い小さな花をつけます。
 府立植物園は5日から開園。厳冬にかかわらず子ども連れや二人連れの来園者などが訪れて、入ったすぐ前にある、キレイに装飾された葉ボタンの花壇を鑑賞していました。(仲野良典)