バラバラになっている福島の人たちつなぎたい 九条守る木幡六地蔵の会
憲法九条を守る木幡六地蔵の会は15日、宇治市の木幡地域福祉センターで恒例の新春のつどいを開催し、46人が参加しました。
今年の講演は、避難者と支援者を結ぶ京都ネットワーク代表の西山祐子さんによる「福島原発事故 支援の輪をひろげて」。西山さんは、3月11日当日の様子やその後の原発事故の対応などについて体験を語りました。
福島市の震度は5弱。断水で水を確保するのに苦労していたところに、福島原発の爆発で、通常0.04マイクロシーベルトの放射線量が24.24マイクロシーベルトに跳ね上がり、報道や政府、自治体からの適切な情報がないなかでメールによる情報ではじめて「被曝」していることを知ったこと。それから家族と相談して2歳の子どものことも考えて福島を出て、東京に移り、なんとか福島へ帰る道を探ったものの、福島では被曝が避けられないと知り、長期に避難する方向をとることにしたと話しました。
「自主避難者」には行政の援助が少ない中で避難者に受け入れの手を差し伸べてくれた京都に移住。福島の人々がいろんな事情や行政の都合で、各地へ避難した人や残った人など、ばらばらになっているのが現状で、仕事で残っている夫の生活費用や福島で住んでいた借家、今京都での母子と両親の生活など大変な負担になるなど切実な体験や福島市の実態などを生々しく語りました。
西山さんは「日本中にある原発、それを許してしまった震災以前の自分たちにも責任はあると思っている。支援されるだけでなく避難できない人などへの支援をしたい。ばらばらになっている福島の人たちをつなぎ、行政の不備を改善させたい」と述べ、仲間を募っていろんな活動を始めています。参加者からは、みずからも能動的に働きかけている姿に感動の拍手が送られました。
また、昨年、九条の会が行った第4回全国交流集会に参加した太田哲彦さんの報告、田中正浩さんと黒田いづみさんのギターとピアノの演奏で「原爆許すまじ」「私の子どもたちへ」などをみんなで歌いました。(山崎恭一)