京都市政告発特集 門川市政は、「乾いたタオルで絞る」ように市民の福祉、暮らし、住民サービス切り捨てを実施。さらに4年間で250億円を削減する計画を打ち出しています。
 これまで、民間保育への補助金削減や市立看護短期大学の廃止、学童クラブ利用料、給食費、スポーツ・文化施設などの各種施設使用料など幅広い分野で値上げを実施。市民から怒りの声が上がりました。
 さらに、昨年10月に発表した「教育・福祉削減プラン(京プラン実施計画)」では、社会保障関係費を毎年25億円、4年間で250億円の事業見直しを打ち出しています。
 具体的な内容は発表されていませんが、庁内ではすでに削減対象として65項目、115事業をリストアップ。緊急通報システムや敬老乗車証、老人医療費支給事業、民間保育所運営費支弁事業など、福祉・教育関係の項目が約6割(69項目)を占めています。

有料化で劇団危機に

劇団「笑の内閣」 高間響さん(28)

経費削減項目 3年前に突然、青少年活動センター有料化計画が発表され、抗議のデモや署名活動などを行いました。アルバイトなどで生活しながら演劇をつづける若手劇団にとって死活問題です。劇団だけでなく、バンドやダンスなど創作活動を行う若者にとって大きな打撃でした。
 門川市長は、京都から、演劇や文化・芸術がどんどんなくなっていってもいいと考えているのでしょうか。
 この当時の怒りを題材にして20日から「ヅッコケ三人組の稽古場有料化反対闘争」という公演を行います。たくさんの人に見てもらい、改めてこの問題について考えてほしい。
 単なる公共料金の値上げではなくて、行政が芸術活動に対して税金を投入することをどう考えるのか、ということだと思います。
 根本的には、働き続合い、人生を豊かにする場所です。健全なクラブが摘発されれば、クラブで働く者やアーティスト、周りの商店にとって死活問題です。
 こうした意見に対して中村さんは、「健全なクラブが不当な摘発をうけるのはおかしい。いっしょに改善させたい」と心を寄せてくれました。市民の思いにきちんと誠実に応えてくれる態度は素晴らしいし、ぜひ取り組んでほしいと思います。

市民より大企業とは

下京西大路老人クラブ連合伸寿会会長 橋本四郎さん(81)

 市長選挙では中村和雄さんに市政を変えてほしいと思います。
 私が一番腹が立っているのは、梅小路公園に水族館を建設することです。下京区民の憩いの場に突然オリックスという大企業が水族館をつくることになりました。海の生物を海のない京都市内に持ってくることは理解できませんし、海へのあこがれを奮い感動できるとも思えません。水族館を造ることになった経過や理由など不透明なところも納得いきません。建設地は、広域避難場所の緊急車両などが入る予定でした。水族館ができて、避難場所として機能できるのか不安です。
 また市は、市民の意見を聞かずに京都会館の建て替え計画を掲げ、ロームが命名権を取るなどしています。門川市長は大企業に目が向きすぎている気がします。
 今、私は地域の人たちといっしょに下京区に特別養護老人ホームなどの増設を求める署名を集めています。下京区は、市内でも老人ホームがとりわけて少ない地域です。大企業優先でなく、福祉に力を注いでほしい。
 中村さんは、大企業でなく、市民の思いに耳をかたむけてくれています。ぜひ頑張ってほしいですね。

「週刊しんぶん京都民報」2012年1月22日付掲載)