茂山千五郎茂山狂言会 大蔵流狂言師・茂山千五郎さんの双子の孫の竜正(たつまさ)くん(7つ)と虎真(とらまさ)くん(7つ)が、茂山家でもっとも歴史のある自主公演「茂山狂言会」に初出演します。3月2・3の両日、金剛能楽堂で。
 竜正くんと虎真くんは、千五郎さんの長男・正邦さんの息子です。2人は09年に「業平餅(なりひらもち)」で初舞台を踏み、「以呂波(いろは)」「しびり」「金津」「福の神」などに出演してきました。
 「茂山狂言会」は、関西で初めて狂言だけの自主公演として1967年に始められ、茂山家で最も重要な自主公演。2人は、「靭猿(うつぼざる)」の猿役に初挑戦し、同狂言会デビューを飾ります(2日=竜正くん、3日=虎真くん)。
 親子3世代の共演。千五郎さんが猿曳(ひき)役、正邦さんが大名役をつとめます。狂言会冒頭に、曽祖父の千作さん(人間国宝)が小謡を謡います。
 2日(金剛能楽堂)おこなわれた記者会見で、2人は「緊張します」(竜正くん)、「がんばります」(虎真くん)と語り、正邦さんは、「自分の子どもが猿をやるときは、一緒に演じる父親はボロボロになると言われますが、その初体験なので気が気でないです」と胸の内を明かしました。
 千五郎さんは「大切な曲(演目)。孫の稽古も自分の準備もしっかりと整え当日に備えたい」とのメッセージを伝えました。
 演劇評論家の権藤芳一さんは、「これで茂山家が続いていく。めでたいことです。2人が成長してくれることが茂山家にとって大事。一門がこれからもそれぞれの個性を伸ばしながら仲良くやって欲しい」と話しています。
 2日(金)19時、3日(土)14時。S席6000円、A席4000円、学生2000円、小学生1000円。茂山狂言会事務局TEL075・221・8371。
(写真 父・正邦さんに稽古をつけてもらう竜正くん=中央=と、稽古が終わるのを待つ虎真くん=右=)