とんでもないペテンのパートナーTPP コンシューマーズ京都が学習会
TPP(環太平洋経済連携協定)の日米事前協議がワシントンで始まった8日、京都市中京区で、「TPPで食の安全がどうなるの?」と題する学習会が日本消費者連盟共同代表の山浦康明さんを講師に行われ、市民ら約60人が熱心に聞き入りました。主催はコンシューマーズ京都。
山浦氏は、2006年に4カ国の小国の地域貿易協定から始まったTPPが2009年にアメリカが参入して以降、9カ国に広がり、徹底した自由化路線でアメリカが誘導する広域的な経済連携を目指す存在になった経過をのべ、「米国の産業界に有利な差別的ルールによる弱肉強食の協定内容で、とんでもない(T)ペテン(P)のパートナー(P)だ」と指摘。交渉分野は農産物だけでなく金融サービスや環境、越境サービス貿易、労働など21分野に及び、暮らしへの悪影響は計り知れないと述べました。
農産物、食の安全について、TPP加盟国には農産物輸出国が多いことから、日本の食料自給率は現在の40%から14%に落ち込み、経済的損失は4兆4000億円となることや食品添加物の承認拡大、米国産牛肉の無条件輸入の承認、残留農薬基準の緩和などを求められると指摘。「安全性が確認できない牛肉、添加物や農薬が乱用された農産物が入ってくれば、私たちが提唱してきた食の安全が大きく後退する懸念がある。日本の基準より、米国の基準が優先される、異議を唱えれば逆に貿易協定違反として国が訴えられる可能性もあるとんでもない内容」と強調しました。
会場からは、原産国表示や独自基準、協同組合の存続、今後の運動方向などについて質問が出されました。山浦氏は、「国はTPPの内容について国民に全く知らせていません。勉強会や集会、署名活動など様々な運動を広げていきましょう」と呼びかけました。
集会では、コンシューマーズ京都の原強理事長からTPPは日本の食糧や食の安全を大きく後退させ、生活への影響は計り知れないとして、政府に対し、日本がTPP交渉への参加を中止するとともにTPPに関する情報を全面的に公開するよう求めるとの立場が表明されました。