市民が進める温暖化防止 温暖化防止に取り組むNPO法人「気候ネットワーク」は18、19の両日、シンポジウム「市民が進める温暖化防止~脱原発と温暖化対策の両立」を京都市上京区の同志社大学で開き、のべ600人が参加しました。
 浅岡美恵代表が「福島第1原発事故を受けて、政府が原発依存のエネルギー政策をどう見直し、温暖化対策に取り組むのか、重要な時期を迎えている。CO2削減へ大いに議論を重ねてほしい」とあいさつ。
 原子力委員会新大綱策定会議のメンバーを務める金子勝・慶応大学が「脱原子力と温暖化対策」と題して基調講演しました。
 金子氏は「世論調査では、原発廃炉を求める意見が7割を占めている。現実には、世論を裏切る動きが進んでいる。その背景を見る必要がある」と述べ、「東京電力は原発事故後、銀行から借り入れができず原発は不良債権化し、債務超過寸前の状態に追い込まれている。東電が電気料金値上げと原発再稼稼を急ぐ理由はここにある。他の電力会社の事情も同様」と指摘。「電力会社の利益優先の姿勢は、原発事故後も全く変わっていない」と批判しました。その上で、福島原発の事故処理には、○東電の経営責任を厳しく問う○経営者の退任ではなく更迭○発送電分離など電力改革○東電の資産売却―などが必要だと述べました。
 このほか、エネルギー政策と温暖化対策の両立、震災復興と低炭素の地域づくりをテーマにしたパネルディスカッションや分科会が行われました。