市議団再稼働中止申し入れ 関西電力の株主である京都市が、同社の株主総会で、「原発の再稼動は必要」とする提案を行うと発表(24日)したことを受け、日本共産党市議団(山中渡団長、15人)は26日、市の再稼働容認姿勢を厳しく批判するとともに、福井県の大飯原発再稼働の中止を政府に求めるよう門川市長に申し入れを行いました。申し入れには、山中団長、蔵田共子、冨樫豊の各議員が参加しました。
 以下、申し入れの全文を紹介します。



 京都市長 門川大作様

日本共産党京都市会議員団

 4月25日、市長は関西電力株式会社に対する株主提案の定款変更案の内容を発表しました。市長は、原発の稼働について「必要最低限の範囲で行う」「(大阪市提案の)今すぐ原発を廃止する内容には乗れない」として、再稼働を容認したことは重大です。また、稼働の条件として「必要性」、「安全性」、「地域住民の理解」をあげているものの、その条件が満たされているかどうかについて、京都市独自の判断は全く示されていません。
 政府が「安全」と判断した「新基準」は、昨年3月に政府が指示した緊急対策と1次ストレステストが実施され、防潮堤や重要免震棟など時間と費用がかかる対策は計画があればよいというもので、そもそも安全基準といえるものではありません。さらに、政府から独立した規制庁も未だ設置されていません。国会に設置された東京電力福島第一原発事故検証委員会(国会事故調)の黒川委員長は、「基準の想定を超える災害が発生した場合の対策が出来ていない」とのコメントを発表するなど、専門家からも批判が噴出しています。さらに、東日本大震災を受けて活断層が活性化し、新たな地震活動が全国で高まっています。また、保安院でも揺れの想定を引き上げる方針も打ち出されています。今、政府が最優先で行うべきは、福島原発事故原因の徹底究明です。
 政府は「電力不足が避けられない」として、再稼働が「必要」としていますが、関西電力が示した需給見通しをほぼ丸のみしたもので、根拠が示されていません。関西電力の稼働する原発がゼロになったこの冬も電力不足は発生していません。関西電力の需給見通しに含まれていない節電、他社との融通、揚水発電の活用などの対策を徹底すれば電力の確保は可能との試算も相次いで発表されており、政府も第三者委員会での再検討を始めざるをえなくなっています。
 京都市の原子力発電所事故対応暫定計画がようやく立案されましたが、前提となっている放射能拡散予想は、京都府の調査結果を踏まえれば、ただちに見直しが必要となるものです。過酷事故を想定した防災計画も不十分なまま、市民合意は得られません。大飯原発の再稼働が焦点となっている現在、原発に最も近い政令市である京都市長の責任は重大です。原発の再稼働は認めないという立場に立つと同時に、再稼働の中止を政府と関西電力に求めるべきです。