タオル地にろうけつ染めの書 水野恵氏が個展
江戸期の御用印判司「鮟鱇屈」主で、京都の古伝道統の篆刻を継ぐ水野恵氏(81)の個展が中京区のギャラリー高倉通で始まりました。20日まで。
展示では篆刻のほか、焼物、染め、漆で書を描いた作品90点余りが並んでいます。磁器作品は砥部焼、清水焼、越前焼の窯で素焼きに呉須で文字を書き、焼成しました。染めはTシャツやタオル地に溶かした蝋を筆に付けて文字を書き、自ら藍で染めました。漆は職人が木地に下塗りを施した上から朱漆で金文を書くなど、水野氏ならではの独創的な書が展開されています。
水野氏はタオル地に蝋で文字を描くのは初めてで苦労したとのべ「書の作品としては面白いものが出来たと思っています。紙に書くことだけが書ではありません。もっと書の可能性を探って行きたいと思います」と話しています。
ちなみに、同ギャラリーの看板は水野氏の作品です。
11時~18時。最終日は17時まで。ギャラリー高倉通=中京区高倉通三条上る TEL075・221・3390。