20120715-02.jpg 仏教、キリスト教など宗教や宗派を超えた宗教者が13日、京都市内で会見を行い、原子力発電所の廃止を求める声明を発表しました。各宗教団体を代表する人物や草の根の活動で原発の危険性を訴えてきた宗教者ら51人が呼びかけ人に名を連ねています。 
 会見には、河野太通・全日本仏教会前会長・臨済宗妙心寺派管長、宮城泰年・本山修験宗管長、大江真道・日本聖公会司祭らが出席しました。
 河野氏は、「福島事故で原子力発電はまことに危険なものであることをはっきりと認識した。原発問題で日本の全宗教者が一致して運動に取り組もうというのは初めてではないか」と語りました。宮城氏は「核廃棄物の地層処分は未来の地球に大変な罪を犯すことになる。多くの被害の上にふんだんに電気を使ってきたことを反省する必要がある」と強調。福島県の早川篤雄・浄土宗宝鏡住職は「3・11以前の状態に戻る復興はありえない、地域社会が消滅した。声明がだされたことに被災者として光明が見える様です」となどと話しました。
 声明では、福島の原発事故は「原発と生きとし生けるものとは共存できないことを立証した」と指摘。宗教者は、「将来にわたって『いのち』を危機にさらし、子孫に負の遺産となる原子力発電所の廃止を求めます」と訴えています。
 また、原発により莫大な利益を得た原発推進者と推進した政府には、除染や子どもたちの長期の健康管理、誠意ある賠償などの重い責任を負うと強調。「事故原因未解明のまま、原発推進者は再稼働に固執し、輸出まで企てるとは、『いのち』より『儲け』を優先するものといわざるをえません」と批判しています。