島津三条工場の高さ規制緩和ダメ 市民団体が公開質問状
京都市が高さ規制を強化した2007年以降、民間企業を対象にした規制緩和第1号となる島津製作所三条工場(中京区)の建て替え計画について、市民団体が23日、計画の策定経過や具体的内容が十分に公開されていないとして、同社に対して初の公開質問状を提出しました。
京都・まちづくり市民会議と地元住民らでつくる「島津製作所三条工場地区計画を考える準備会」が同社を訪れ、提出したもの。
建て替え計画は、同工場(9.8ヘクタール)内の複数施設を1施設に「高度化・集約化」するというもの。施設の内容や形態、意匠など具体的内容や規制緩和の必要性などは公表されないまま、市は、同計画のために地区計画制度の手法を使い、高さ規制を緩和する方針を決定。7月30日の市都市計画審議会に提案する予定です。
同会議は6月、「行政と事業者が密室で談合して高さ規制緩和を進めるもの。市民の納得は得られない」と指摘し、「白紙に戻すよう」求める意見書を市に提出しました。
質問状では、(1)高さ規制緩和について、市との協議時期や提案したのは市か同社かをただすとともに(2)集約施設の具体的内容の公表や現行の高さ規制の範囲では不可能なのか、その根拠など7項目について、8月7日までに文書で回答するよう求めています。
参加した住民らは、「島津は京都を代表する企業。市民合意の得られない規制緩和に加わらないでほしい」と訴えました。