橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が12日、大阪市内で政治資金パーティーを開き、7人の国会議員を集めて急造した国政政党「日本維新の会」の結成を宣言しました。
 橋下氏のめざすものと同会の実態について、京都の各団体関係者の危ぐの声を紹介します。

 橋下氏は、昨年の市長選挙で「敬老パス制度を維持」と約束していたのに、有料化方針を決定。市民サービス395億円を削減する「市政改革プラン」(7月策定)に同方針を盛り込みました。

高齢者を裏切る有料化

京都市下京区修徳学区老人会(修和会)会長・中谷隆亮さん

 敬老パス有料化方針は、橋下氏の高齢者の願いを裏切る姿勢を示すものです。
 選挙では、無料化を維持すると公約、高齢者の支持をあてこんでいました。当選すれば、「ぜいたくな住民サービスを受けている」と有料化を打ち出す。これは高齢者をペテンにかけるものです。
 私たち高齢者は、「自立、自助」を掲げた小泉「構造改革」で、徹底していじめられてきました。
 橋下氏の掲げる「維新八策」を見ると、社会保障について「自助、共助、公助の範囲と役割を明確にし」、「真の弱者支援に徹する」としています。すべての国民が受ける権利を持つ社会保障を「真の弱者」だけに絞りこみ、「効率化」の名のもと社会保障費を削減しようとしています。その手始めが、敬老パスの有料化だと思います。
 京都市では2004年に敬老パスが有料化され、その結果、交付率は7割から5割に減少しています。「行革」に向けた「財政有識者会議」(2010年)は、さらに「敬老乗車証の対象者の抑制と自己負担の引き上げ」を提言しました。
 橋下氏の動きは、京都市の「構造改革」路線に一層拍車をかけるものです。高齢者いじめの有料化には絶対反対です。(「週刊しんぶん京都民報」2012年9月23日付掲載)