十日ゑびす 年始めの京都は無病息災と商売繁盛の縁起をかつぐ祭が目白押しです。7日の七種神事と若菜祭、8日は初ゑびすや布袋祭に東寺の御修法(みしゅほ)、9日は祇園八坂えべっさん、10日は初金比羅祭に恵比寿神社で本ゑびす、11日・12日は山科毘沙門堂や鞍馬寺の初寅祭、13日は法住寺の大根炊などお楽しみが続きます。
 写真は東山区の恵比寿神社の十日ゑびす大祭です。商売繁盛・家運隆昌の今年をとの祈願で大勢の人が詣でていました。門前には露天が並び、境内では鐘や太鼓で「商売繁盛笹もてこい」と賑やかで、8日の招福祭から9日の宵ゑびす、10日の本ゑびすから11日の残り福祭、12日の撤福祭までの期間に天候がよければ10万人余りの参詣者で賑わいます。
 同神社に訪れ、大きな飾り笹を授与してもらった参拝客は「運送業をやっとります。外に逃げたらあがったりです。ともかく内需拡大にせんと、ですよ。だからみなさん方の懐を増やしてもらって、商品を運ぶ分量をたくさんつくって欲しいですワ。新政権どうにかして欲しいと期待はしているんだけど、見通しはちょっとね…」と切実感あふれる願いです。
 また建設関係の仕事をしている女性は「今年もあんまり期待できひんけど、なんとか仕事続くように思っています」とこちらも切実。本殿横では大きな板を力一杯にドンドンと叩き、願いを神に直接届けるという習わしがあり、「去年と同じやけれど、今年こそ頼んまっせ!」と大声を張りあげる参拝者もありました。(仲野良典)
 「初寅や鞍馬颪(おろし)の粉吹雪」(皐水)