まちづくりサミットin京都 自治体に対してまちづくりのための政策提言を行っている龍谷大学の学生グループが12日、シンポジウム「21世紀の景観とまちづくりサミットin京都」を京都市伏見区の同大学深草学舎で開きました。地域住民や学生ら120人が参加し、景観保全のあり方について討論しました。
 主催したのは同大学生13人でつくる「みらいの環境を支える龍谷プロジェクト」(通称、みらプロ)。同グループは景観保全が問題となっている地域に出向いて提言を作成。毎年、住民や行政と一緒にシンポジウムを開催してきました。
 第3回目となる今回は、文化財保護法に基づく重要文化的景観制度がテーマ。
 「みらプロ」の豊田肇さんらは、同大学周辺の深草地域で行った現地調査をもとに報告しました。深草地域について、重要文化的景観指定を受けるような特別の景観があるわけではないと指摘。その上で、「同地域はありふれた景観だが、住民は町並みに愛着を持ち、まちづくりのための取り組みを行っている。住民が大切にする景観こそ保全が必要だ」と述べました。
 丸山徳次・同大学教授は、「景観保全の上で、欧州評議会が制定(2000年)した欧州景観条約の考え方が重要だ」と強調し、「同条約は、日常的な景観を重視し、市民参加で地域特性を生かすことを求めている。大事なのは地域の自治だ」と述べました。
 このほか、文化庁の鈴木地平さんや京都市文化市民局の石川祐一さんらが、文化的景観制度の課題などについて報告しました。