乙訓革新懇総会 乙訓革新懇は26日、長岡京市内で40人が参加して総会を開き、関西学院大学の冨田宏治教授の講演を聴くとともに、運動方針の討議を行いました。
 「総選挙の結果がしめした民意と今後の展望」と題した講演で冨田氏は、安倍政権の日本を取り戻すための「3本の矢」で一時的に株価は上がり、物価が少し上がるがカンフル剤にしかならないと述べ、「3カ月で20兆円、公共事業に10兆円を使う、このため国債を8兆円マス刷りするといっています。これは参院選挙をのりきるためです。公共事業のバラマキの失敗はこの20年間でわかっている」と批判。1990年に450兆円のGDPは現在470兆円と20数年で、わずか20兆円しか伸びていない一方、アメリカは2.6倍、中国は25倍で、日本だけが成長していないと述べました。
また、国債を10年間で200兆円つぎ込むといっている事に対して、これまで1200兆円つぎこんで何も変わっていないとして、「こんな状況は戦争中と同じ。敗戦で国債は紙くずになった。自民党にまかせた20年、何もできなかった。自民党では経済は成長しない。いまの時代は明治維新、敗戦につぐ第3の転機。新しい国のあり方をつくる転機を迎えている。自民党も明るい展望はもっていない。私たちが意気消沈している場合ではない」と話しました。
 先の総選挙について、自民党の2005年郵政選挙の得票は260万で296議席、2009年は1880万で、今回は1660万で294議席と得票は減らし続けていることを紹介。「自民党は小選挙区制のおかげで議席を増やしたが得票の有権者比では16%にすぎない。決して強大な敵ではありません」と述べました。そして今回、1000万票ともいわれる棄権票は「自民に期待できず、民主に裏切られ、維新には小泉の焼き直しと石原の党にはのれないと行き場がなく棄権したのです。自民の基礎体力は1660万と公明票、民主党は960万です。今回棄権した1000万の有権者の動向によって政治は劇的に変化します」として、こんどは強大な権力と本気で対じする自覚的な市民の戦線をつくろうと呼びかけ、革新懇運動の大きな役割が期待されると結びました。
 総会では乙訓の「憲法9条の会」、原発をなくす会、消費税をなくす会など多くの分野の市民運動に呼びかけ、「大切ないのち、くらし、平和をまもり、人にやさしい社会」をかかげたネットワーク、さらに大きな革新懇づくりなどに力を入れることを確認しました。(梅林)