2013新春対談 倉林明子vs井上哲士(上)
自民党政策の支持ではない
井上 新年あけましておめでとうございます。
倉林 おめでとうございます。いよいよ今年は参院選。よろしくお願いします。
総選挙結果は本当に悔しいものになりましたが、日本共産党への期待、値打ちを痛感できました。初めて保津川遊船企業組合から消費税の増税を中止してほしいとご支援を頂きました。関西電力京都支店前行動の参加者からは、「即時原発ゼロ」で大きな激励がありました。反戦平和でも「絶対にブレない党だ」と厚い信頼がありました。
井上 ぼくも同じ思いです。「朝日」の世論調査では、自民大勝の理由で「自民の政策を支持」はわずか7%。一方、私たちが掲げた公約は多くの共感を呼びました。選挙では、岩手県漁連の会長さんが穀田さんに期待のメッセージを寄せてくれました。
倉林 被災地で日本共産党への期待が大きく広がっているのを感じます。
井上 3・11直後から、日本共産党は全国からボランティアが東北に行って被災者の命と暮らしを守るために、献身的に頑張ってきました。国会では、被災者の暮らし、生業再建のため論戦で奮闘しました。こうした活動が実を結び、東北では、2010年の参院比例票の1.2倍に増やして、議席を守り抜くことができました。
国会内外での奮闘が結実し
倉林 私は福島県会津の出身だけに、とてもうれしかったですね。国会論戦では、井上さんが国会で取り上げた、復興予算の流用問題の衝撃は大きかったですね。
井上 「復興」予算と言いながら、ベトナムへの原発売り込みにも使う。その一方で、被災者の医療・介護の負担軽減措置を打ち切る。こうした実態を徹底して明らかにできました。
倉林 そもそもの問題は、流用の仕掛けを復興基本法に盛り込んだことでしたね。
井上 そうです。民主だけでなく、自民、公明も賛成しました。反対したのは日本共産党だけでした。この問題で昨年、ラジオ番組に招かれたんです。実態や原因を明らかにすると、司会者は「共産党には追及する権利と正義がある。追及の手を緩めず頑張ってほしい」と激励してくれました。日本共産党の値打ちと行動が具体的に見える、そうしたたたかいを国会内外でできたことが東北の前進につながりました。これは教訓的ですね。
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被災地支援が人間的信頼に
倉林 京都の日本共産党も被災地支援のため、草の根で頑張りました。そこから、被災者とのきずなが生まれました。これも昨年の貴重な成果の一つです。選挙中、5区の候補者・吉田早由美さんのもとに、福島県南相馬市の仮設住宅の自治会長さんが激励のメッセージを寄せてくれました。ここに到るまでには、実にさまざまなドラマがありました。
井上 福島の被災地へ、吉田さんらが何度も足を運びましたね。
倉林 はい。3・11以来、吉田さんを先頭に、府北部の党地区委員会は10回を超える支援を行いました。昨年10月には、コメ2.3トンを届けました。コメは京都の農家や市民400人が提供してくれたものです。京都の人たちの思いを集め、支援を重ねてきました。
井上 これが、人間同士の結びつきと日本共産党への信頼に花開いたんですね。
倉林 そうなんです。メッセージを寄せてくれた仮設住宅の全400世帯に、吉田さんらは先だって、クリスマスプレゼントを贈りました。京都でもこういう取り組みがあったからこそ、選挙結果に結実したと思います。
オール京都でTPP反対へ
井上 TPP参加反対でJA全中(全国農業協同組合中央会)との共同ができたことも、重要です。JA全中は自民党一党支持でしたが、09年の前回総選挙後、初めて全国大会に日本共産党を招きました。そこから、対話が始まってTPPで共同が進み、青森県をはじめ全国でいくつかのJAが初めて党候補を推薦してくれました。
倉林 東北各県のJAが今回の選挙で、日本共産党のポスター掲示に協力してくれたんですね。
井上 日本共産党が「一点共闘」の立場でJAに働きかけたことと、TPP反対を掲げ、行動していることが結びついて、生まれた関係です。
倉林 京都でも、TPP反対で新たな「オール京都」の共闘が進んでいます。府保険医協会、府歯科保険医協会、京都総評など20団体が実行委員会をつくり、府民集会を開催しました。賛同団体として日本共産党も参加し、連帯のあいさつをしました。集会を機に、政府がTPP参加を断念するまで運動を続けようとネットワークが結成されました。
井上 大きい成果ですね。共同のたたかいを広げていける、足がかりをつかんだのではないでしょうか。
倉林 そう思います。選挙後の有権者の反応にも表れています。ある店のご主人から、「自民党にあれだけ議席を取らしたらあかん。何でも好き放題できる。共産党、頑張ってや」と言われました。
井上 自公政権の暴走に待ったをかけてほしいという期待の声は大きいですね。(「週刊しんぶん京都民報」2013年1月6日付掲載)