2013新春対談 倉林明子vs井上哲士(下)
国民の暮らしを守る共産党
倉林 消費税が増税されたら営業や暮らしはダメになってしまう。その思いとともに、憲法を変えていいのかという強い危機感の表れも、党への期待、激励につながっています。日本共産党が国民が求める課題にしっかりとしたビジョンを掲げたことも大事です。共同を広げる条件がここにあると思っています。
井上 自民も公明も、増税で経済はどうなるのか、原発をどう解決するのか、まともな政策も展望も示せなかった。憲法改悪、増税を進めるなら、国民との矛盾は一層激しくなるばかりです。去年以上に草の根のたたかいを広げ、国民の暮らしを守る。これが今年の課題です。
倉林 選挙結果で、気落ちしている場合ではありませんね。
井上 そうです。財界は自民党の圧勝を評価し、早速、注文をつけています。電力会社でつくる電気事業連合会は選挙後、「原発稼働ゼロ」の見直しを要求しました。経団連は、「TPP参加を一刻も早く」と求めました。これに応え、安倍・自民党総裁は経団連を訪問。米大統領とも会談する予定です。財界、アメリカ言いなりの政治へさらに進もうとしています。これを許してはいけない。
消費税、原発で追い詰める
倉林 これからのたたかいが重要です。一方、私たちのたたかいも情勢に反映されています。例えば、消費税増税。消費税増税法には「景気条項」があり、「経済状況の好転」が増税の「条件」と盛り込まれています。だから、自民党でさえ、「デフレ傾向がさらに強まっていくのであれば、増税はできない」と言っています。私たちのたたかいが、増税勢力を追い込んでいることを、しっかり見ておく必要があります。
井上 自民党は消費増税の条件づくりのために「インフレターゲット」などを打ち出していますが、肝心の労働者の給与は上らず、物価が上るだけで、国民生活はますます大変です。景気対策ならまず増税中止ですね。
倉林 原発もそうです。原子力規制委員会ができました。今、原発敷地内の活断層調査をしています。大飯原発では、なかなか結論が出せずにいますが、東北電力の東通(ひがしどおり)原発(青森県)、日本原電の敦賀原発(福井県)は、「活断層がある」との見解をすぐにまとめました。
井上 私も国会質問でこれまでの活断層調査のずさんさを追及し、地震国日本で安全な原発などないと主張してきました。再稼働の条件はないし、「即時ゼロ」こそ現時点で、責任ある立場であることはいよいよ明らかですね。
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改憲派とのつばぜり合い
倉林 自民党が改憲して「国防軍」とすることを公約したことに、不安が広がっていると感じました。井上さんは、参院の憲法審査会に所属していますね。
井上 改憲案の発議に必要な議席は、衆参それぞれ3分の2以上。衆院では、自主憲法制定を掲げる自公政権で3分の2を占めましたが、参院ではまだその議席数には到っていません。審査会の議論を通じて改憲の世論を広げようと狙っており、参院選挙に向けて、改憲派と国民がつばぜり合いの状況です。
倉林 キーワードは草の根のたたかいですね。困難に直面し解決を求める国民と日本共産党が政策で結びつくなら、共同をさらに広げていけます。新しい政治の流れも作り出せると確信しています。
井上 いよいよ今年は参院選です。私の政治家としての原点は、原爆、戦争を許さないということです。昨年それをかみしめる年になりました。「京都『被爆2世・3世の会』」が発足しました。祖父母や親たちの被爆体験を語り継ごうというものです。母が広島で救護被爆したため、ぼくも2世として呼びかけ人の1人になりました。核武装、改憲を叫ぶ勢力に負けられません。
参院選で今度こそ勝利する
倉林 私もどうしても勝ちたい、その思いでいっぱいです。残念ながら、勝利するには私たちの実力ではまだ足らない。このことを選挙結果で思い知らされました。党員、「しんぶん赤旗」、京都民報の読者、後援会員など党勢拡大へ、一緒に切り開きながら、必ず勝利する。私の決意です。
井上 国会の議論を見ていますと、他党には、患者や国民の側から医療を議論する議員が本当にいません。負担増やサービス切り捨て、憲法の生存権を否定する議論だけがまかり通っています。それだけに、医療現場にいた倉林さんの国会での活躍が求められています。
倉林 ありがとうございます。私も井上さんの論戦力と行動力に感服しています。10府県をくまなく走り、国会で必ず見事な論戦をする、かけがえのない議席だと思います。
井上 今度は、憲法、TPPなど日本の命運がかかった選挙です。大きい視野に立てば、古い自民党型政治が行き詰まっていることは明らかです。今度こそ勝利、躍進をつかむため、お互い全力で頑張りましょう。(「週刊しんぶん京都民報」2013年1月13日付掲載)