TPP交渉参加は公約違反 参院予算委・井上議員が首相追及
日本共産党の井上哲士参院議員は2月27日、参院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)について安倍晋三首相を追及。自民党が昨年の総選挙で作成した「TPP断固反対」とのポスターを示しながら、「TPPは聖域なき関税撤廃が前提のもの。交渉参加は公約違反だ」とただしました。
安倍首相は、TPP交渉について「(日米首脳会談で)聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」などとして「なるべく早い段階で決断したい」と表明しています。
井上氏は、日米共同声明には「すべての物品が交渉の対象になる」と明記され、「関税と非関税障壁の撤廃」というTPPの大原則は何も変わっていないと強調。岸田文雄外相は「TPPの輪郭、内容が変更されたとは承知していない」と認めました。
井上氏は、「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」という共同声明の文言も、「交渉の場で例外を主張することを妨げないという程度のもの」と指摘し、「交渉の結果、関税撤廃の聖域が認められる保証は何もない」と追及。安倍首相は「最終的な結果は交渉の中で決まっていく」などの答弁にとどまり、重要品目が例外として守られる保証が何もないことが明らかとなりました。井上氏は、「有権者はポスターを信じて投票した。公約違反だ。TPP参加は、日本の経済主権を奪い、農業、食の安全、医療も経済も根こそぎ壊す」と述べ、参加方針の撤回を求めました。(「週刊しんぶん京都民報」2013年3月10日付掲載)