米防衛のための配備 「Xバンドレーダー」緊急学習会に100人
米軍の高性能レーダー「Xバンドレーダー」を京丹後市の航空自衛隊経ヶ岬分屯基地に配備する計画が打ち出されている問題で10日、学習講演会(平和を考える丹後の会主催)が同市丹後町で開かれ、分屯基地のある地区住民や市議など100人が参加しました。
京都平和委員会事務局長の片岡明さんがXバンドレーダーそのものや米ミサイル防衛(BMD)の中での今回の配備計画の位置付けなどについて説明しました。片岡氏は、09年に同分屯基地のレーダーがBMD対応に改良されるなど全国11カ所の空自レーダー基地が既にミサイル防衛の一端を担っていると指摘した上で、「米軍はイラク戦争の時、最初に徹底してレーダー基地を攻撃した。レーダー基地とはそういう存在。日本の防衛が目的ではなく、あくまでアメリカの防衛戦略のための配備」と強調しました。
また、日本で最初に配備された青森県・車力分屯基地(つがる市)では配備後1年間で軍属7人が暴力、飲酒などで強制送還されたのをはじめ、女性宅への不法侵入や酒気帯び運転での逮捕などの米兵・軍属による事件・事故が相次いでいるとのべ、「軍属は多くの場合、民間軍事会社で働く人たちですが、治外法権の地位協定が適用される存在です。米軍基地ができることによる犯罪被害の発生を考えざるを得ません」と述べました。
参加者からは、「Xバンドレーダーの高い周波数にはどんな意味があるのか」「基地建設費用は日本が負担するのか」「地元自治体や住民の合意なく建設できるのか」などの質問が出されました。
経ヶ岬分屯基地のある丹後町宇川地区から来た60代男性は、「電磁波の影響を心配している。孫も住んでおり、健康への影響が絶対にないと確約できなければとうてい認められない話だ」と話していました。