市民参加で再生エネ普及 「非核の会」市民講座で和田氏講演
日本環境学会会長の和田武氏が20日、京都市左京区の教育文化センターで「再生可能エネルギーの普及」をテーマに講演し、86人が参加しました。「非核の政府を求める京都の会」が市民公開講座として開いたもの。
和田氏は同エネルギーの普及の鍵を、「固定価格買取制度などの積極的な普及推進政策。発電設備を地域や住民で所有すること」と説明。積極的に普及を進めるドイツとデンマークを事例に、買取制度の導入で発電設備所有者が〝損〟をしないため、個人や地域での発電所設置が進んでいる様子を紹介。また、住民や地域が所有するため、利益が地域住民に還元され、設置場所も住民合意で決めるため、発電設備設置を巡る問題がほとんど起きていないことなどを紹介。関連の産業や雇用が生まれていることを示し、「地域の自立的な発展が生まれている」と述べました。
また、買取価格や期間を決める経済産業省の委員会で和田氏が委員を務めるなど関りを持つ、日本の電力買取制度(2012年7月施行)について、「これまでの再生可能エネルギーの普及を抑制してきことを考えれば画期的な成果」と述べ、「制度内容は十分ではないが、損はしない形で取り組めるようになった。あとは地域や住民がいかに取り組むかが問われています」と訴えました。
参加者からの、京都で活用可能な資源についての質問に、「太陽光はどこでもできますし、豊富な森林資源もあります。あとは積極的に取り組む姿勢が重要」と答えました。
同会の田中則夫事務局長が閉会あいさつで、「普及に向けて広範な団体や市民と共同し取り組んでいこう」と呼びかけました。
講演後、「非核の会」の定期総会が行われました。