96条、9条改憲許すな! 伏見メーデー前夜祭
伏見地区労は22日、「2013伏見メーデー前夜祭」を伏見区役所ホールで行い、加盟各労組から約50人が参加しました。
京都憲法会議事務局次長の奥野恒久龍谷大学教授が「改憲の動きの中で改めて考える、日本国憲法の価値」と題して記念講演しました。奥野氏は、昨年末の総選挙結果は、民主党政権への国民の怒りと嫌気を増幅した小選挙区制の結果であり、泡のような「自民大勝」ではなかったかと指摘。自民は比例で大敗した前回よりも219万票も減らしたと述べました。その結果、改憲タカ派議員が多数を占め、「9条改正賛成」が72%、「集団的自衛権行使を認めるべき」が78%も占め、これを補完する維新の会の「綱領」や動きなど分析し危険な動きが現実に急速に進められていると警鐘を鳴らしました。さらに、安倍首相の民意が反映されない硬性憲法論のインチキ性を指摘するとともに、破たんしている「占領憲法」論、近現代の立憲主義、個人の尊重と公共の福祉、勤労権、憲法遵守義務、非軍事平和主義などの見方考え方などや、自民党の「憲法改正草案」の前近代性の本質なども明らかにしました。
また、「平和憲法を持っているわれわれは、『武力攻撃をうけたら武力で反撃する』という立場でなく、そうなるまでに、日本国憲法前文の『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持する』や、9条『正義と秩序を貴重とする国際平和を誠実に希求し…』の政策、外交政策をもって対処すべきで、そこに日本国憲法の価値…積極的非軍事平和主義の価値がある」と強調しました。
開会に先立ち「岩手県大船渡市からビデオレター」と「世界のメーデーから」のDVDを上映。伏見地区労の板東利博議長が、東京では拝外主義者や右翼街宣車から「売国奴!」「共産党!」などと大声でシュプレヒコールしている異様な状況を述べ、「いったい、沖縄の広大な米軍基地、ソ連の千島列島などを売り渡し、占領させたのは誰なのか。売国奴は自民党などではないか。また農業や医療などをアメリカに売り渡すTPPを進めているものこそ売国奴ではないか」と厳しく糾弾。そして、憲法9条などを改変させ、「前近代の憲法に戻させる第1歩として96条に手を付ける安倍政権や維新の会の危険な動きを阻止しよう」と訴えました。
春闘報告では、地区労加盟の各民間労組から春闘や全厚生不当解雇などの争議の闘い、組合員拡大など現況が各労組から報告され、春闘勝利と憲法改悪を許さない決意を誓い合いました。(仲野良典)