「主権回復の日」は改憲と一体 抗議集会に250人
サンフランシスコ条約発効(1952年4月28日)を記念して政府が「主権回復の日」式典を開催することに抗議する集会「異議あり!『主権回復の日』」(同実行委員会主催)が4月28日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開かれ、大阪、滋賀からも含めて会場いっぱいの250人が参加しました。
同日午前、政府式典に抗議して開かれた「4・28『屈辱の日』沖縄大会」に連帯し、同大会シンボルカラーの「緑」のネクタイを着用して主催者あいさつした鈴木勉・佛教大学教授は、「『61年前の4月28日を主権回復した日とはとても言えないし、平和憲法を根底から覆そうとする不純な思惑がある』との問題意識で集会を呼びかけました。主権者である国民として戦争する国づくりへの異議を表明したい」とのべました。
歴史学者(近現代史)の原田敬一・佛教大学歴史学部教授が記念講演しました。原田氏は、高校日本史教科書がポツダム宣言受諾から講和条約・安保条約締結に至る戦後日本の歩みをどのように記述しているかについて比較検討。日本が緩やかな占領方式である「間接統治」されたとする一方で、沖縄や朝鮮半島が軍政下に置かれたことを無視したり、安保条約とともに「全土基地化」を約束した日米行政協定(現・日米地位協定)の内容を解説する教科書が少ないなど問題点や課題をのべ、「沖縄の米軍基地問題を解決できずに21世紀の今に至っていることを講和条約発効を機会にもっと深く考える必要があるのではないか」と問題提起しました。
集会では、米軍の土地強奪と人権じゅうりんに抗してたたかった元那覇市長の瀬長亀次郎さんの半生を描いた映画『カメジロー―沖縄の青春』を鑑賞。上映に先立って、同作の監督・島田耕さんが「『4・28』の意味を次代に伝え、真の独立が実現するようともに頑張りたい」とあいさつしました。
3月に友人らと普天間基地や辺野古を訪れたという佛教大学大学院生の藤井美保さん(22)は、「沖縄を切り捨て、基地問題を生む元凶となったこの日を『主権回復』とする政府にふざけるなと言いたい」と話していました。