戦争展プレ企画 平和のための京都の戦争展実行委員会は6日、京都市左京区の教育文化センターで「7・7平和と文化のつどい」を開き、市民ら63人が参加しました。盧溝橋事件から始まった中国に対する全面戦争を忘れず、アジアの人たちと平和を築いて行こうと毎年開いているもので、8月6日から11日まで開かれる「平和のための京都の戦争展」のプレ企画。南京大虐殺をテーマに約25年間、聞き取り調査を続け、ドキュメンタリー映画も制作している銘心会南京友好訪中団の松岡環団長(大阪経済法科大学アジア研究所研究員)を迎えた映画と講演会を行いました。
 松岡さんは、小学校教諭だった1988年、歴史教科書で侵略が侵攻と書きかえられた問題を機に南京大虐殺の実態調査を開始。中国での被害者の聞き取り調査にとどまらず、日本兵やその家族から加害の話を聞く「南京大虐殺情報ホットライン」(97年)を開設したり、入手した兵士の名簿を頼りに手紙を出して、面会するなど独自に情報収集してきました。つどいでは、2作目となる映画「南京の松村伍長」を上映。松岡さんが加害兵士250人、被害者300人の調査から分かって来た南京大虐殺の実像について詳しく話しました。
 松岡さんは、加害と被害の調査をすることで南京大虐殺の時間、場所、空間が完全に一致する内容が数十例出て来たとして、日本軍が南京に入った1937年12月13日から約6週間にわたって30万人を虐殺し、性暴力被害は2万人にのぼると述べました。そして、「悲惨な過去の事実を忘れずに後の戒めとすることが大切」と強調。学生と南京を訪問するスタディツアーや現地で開いている被害者の心のケア交流会などを紹介し、「運動を進めながら啓発活動を続けて行きたい」と話しました。