長時間労働の規制を

NPO「POSSE」京都支部代表 川久保尭弘

 若者の労働相談に取り組んでいるNPO法人です。参院選では労働者を使い捨てにする「ブラック企業」への対策が争点の1つとなっています。この機にブラック企業を規制する、実行力ある政治を求めます。
 私たちは各政党に対策を聞きました。特徴は、多くの党が「離職率の高い企業名の公表」を掲げていることです。しかし、これだけでは問題解決になりません。
 今年、就活中の大学生からの相談がありました。「ブラック企業にしか内定をもらえなかった」というものでした。現在は、毎日12~14時間労働。週休1日で、時間外労働が過労死ラインを超えてい
ます。すでに同期が何人か辞めているとのことでした。
 結局、働き続けることのできない原因は長時間労働にあります。この規制が必要です。日本では36協定で残業時間を合法的に延ばすことが可能です。労働時間の短縮を掲げる政策が、ブラック企業問題の解決につながります。
 自民党はブラック企業の代表格「ワタミ」前会長を公認候補とした直後、「企業名の公表」の公約を取り消しました。ワタミで過労死した遺族が公認取り消しを求めた際には、門前払いしました。企業側に立っては、労働者を守ることはできません。こうした政治を変えてほしい。(「週刊しんぶん京都民報」2013年7月14日付掲載)