躍進対談~倉林明子・井上哲士(2)
後の焦点
集団的自衛権行使の道防ぐ
井上 私の所属は外交防衛委員会になりました。真っ先に出てきているのが、集団的自衛権の行使をめぐる問題です。安倍政権は、内閣法制局長官を退任させ、集団的自衛権行使の“容認派”の外務省出身官僚に代えました。本来、法制局は「法の番人」で、歴代政権の憲法解釈に基づき、法案を審査します。これまで現憲法の解釈では「集団的自衛権の行使は認めない」としていました。それが気に食わないからと変えてしまうやり方は、強権的で許されません。
倉林 元法制局長官も「集団的自衛権を行使すれば戦争ができてしまう」と批判していますね。
井上 ええ、いよいよ「米国とともに戦争できる国」になってしまう。また、オスプレイの追加配備問題もあります。米軍は、東京都の横田基地などをあげました。
倉林 京都では京丹後市経ヶ岬への米軍レーダー基地設置が、いよいよ住民の声を無視して進められています。
井上 そうですね。米軍レーダー基地設置も、安倍政権が「米国と戦争できる国」へと突き進む大きな流れの中にあります。京丹後市長が政府に対して受け入れの条件を明らかにしました。レーダーの電磁波による人体・環境への懸念や米兵の犯罪問題など、住民の不安を取り上げています。しかし、政府の説明では何ら解消されていません。
倉林 私も「京都に米軍基地はいらない」と一緒にたたかっていきたい。井上さんは引き続き参院国会対策委員長ですね。議員団の要としてがんばってください。
消費税増税の中止の論戦を
井上 私が国対委員長になってから9年間はずっと1ケタでしたが、11議席で院内交渉会派となり発言力も質問時間も増えました。議案提案権も使える。その分、責任は重いなと痛感しています。私が国対委員長になって9年間になかった機会なので大変ですが、楽しみです。
倉林 私の所属は経済産業委員会で、理事にもなりました。消費税増税問題や中小企業の深刻な経営状況がある中で、生の実態を突き付けられます。いっぱい声も託していただきました。京都で中小企業、商業に政策的にも深く入り込んで、提案できる実績がありますから、これをいかして論戦したいですね。原発問題もリンクします。委員会の質問機会は楽しみです。ワクワクやね。
井上 倉林さんに経産委員会をお願いしたのは、次期国会でアベノミクスとその成長戦略について論戦する主戦場になるからです。
倉林 大企業中心の経済政策とたたかうわけですね。
井上 国民的立場での抜本的対案を示しながらの論戦が求められます。消費税増税は臨時国会が大きなヤマ場になります。原発・エネルギーも経産委員会です。前国会の参議院で首相問責決議が採択されたために、電気事業法が廃案になりました。電力供給体制の見直しなどを盛り込んでいますが、原発再稼働・輸出を前提とし、電力独占を実質維持するものです。この再提案が狙われています。
京都と福島の声を届ける
倉林 福島第1原発では汚染水が海に流出しています。そんな中での原発再稼働・輸出は許せません。福島出身として、原発ゼロの声を届けると訴えた。果たしていきたい。
井上 そうです。この秋の臨時国会で焦点の委員会です。ここはぜひ倉林さんに火を噴いてほしい(笑)。
倉林 がってんだ(笑)。かつて西山登紀子さんも経産委員会に所属しました。京都の中小企業、地場産業政策も引き継ぎながらやりたい。(「週刊しんぶん京都民報」2013年8月18日付掲載)