伏見戦争展 「ほんとうはどうなの?――従軍『慰安婦』問題の本質を考える」――2013年平和のための伏見戦争展が22日、伏見区の藤森神社参集殿で開かれ、伏見をはじめ京都各地から110人が参加しました(平和のための伏見戦争展実行委員会が主催)。
 元龍谷大学教授で、現在、国際人権法政策研究所事務局長、日本融和会ジュネーブ国連代表として、人権状況改善にとりくんでおられる戸塚悦朗氏が講演しました(写真)。
 戸塚氏は、従軍「慰安婦」問題の本質を「性奴隷」として鋭く指摘し、国連や欧米諸国に広げられたことで知られていますが、氏自身のさまざまな角度からの研究や国際的な活動の経験をふまえて、日本軍「慰安婦」問題の歴史的経過や、何が問題かなどについて詳しく説明しました。「日本軍『慰安婦』制度は当時の国際法でも国内法でも明らかに違法」と強調し、戸塚氏自身が発見した戦前の判決(1932年、業者が日本女性をだまして「慰安婦」にした事件を当時の警察が摘発し、長崎地裁、控訴院=高裁、大審院=最高裁で有罪判決・確定)を具体的に示して、「当時は公娼制度があったから、慰安所制度は合法だった」(稲田朋美行政改革相など)の意見の誤りを厳しく指摘しました。最後に戸塚氏は、「慰安婦」問題の解決とともに、これを女性の人権、日本の人権全体の問題としてとらえて運動、研究することを強調し講演を終えました。
 年老いた韓国の元「慰安婦」の証言を映像化したDVD『15のときは戻らない――ナヌムの家のハルモニ達の証言』が上映されました。また、8年前と今年の2回韓国のナヌムの家を訪問しハルモニの方々と交流された沢田季江さん(新日本婦人の会京都府本部事務局次長)が報告。「ハルモニたちが次つぎ亡くなっている。時間がない問題として日本のみなさんの中に広げて運動しよう」「京都府議会および8つの市議会に続き、今度は京都市議会でも意見書の採択をかちとろう」と訴えました。
 会場フロアから若い男性が「何も知らず軽い気持ちでここへ来ましたが、問題の解決に向けて真剣に考えていかないといけないと感じました」と発言したのをはじめ、多くの参加者から、「従軍『慰安婦』問題について理解が深まった」、「女性の人権を世界の人権の視野でとらえてのお話で、とても視野が広がる思い」、「戦争で人が人でなくなる。戦争の道は防がなければと思います」などの感想が出されました(S)。