伏見稲荷大社 正月元旦は初詣。大晦日の深夜は八坂オケラ詣り、知恩院の除夜の鐘に早朝寅の刻の清めの若水を汲む習わしや初護摩焚きなどまだまだ京の習わし・風習は残っているようです。そして各家庭では朝食前に結び昆布と小梅が入ったお茶(大福茶、皇服茶)を飲み、丸餅・人参・大根に花鰹をふわりとかけた白みそ雑煮とお節(お煮しめ)をいただき、家族みんなが無事に年を越せた感謝と、新年のこの1年も健康に送れますようにと祝います。その後は寺社への初詣に出かける家庭も多いです。
 初詣では、平安神宮・下鴨神社・松尾大社・石清水八幡宮などの神社や清水寺・大覚寺・六波羅蜜寺など寺院へたくさんの参拝客が訪れ、様々なに祈願していました。例年250万人の初詣客が訪れる伏見稲荷大社は曇り空の中、家族連れの参拝者が大勢参拝していました。静岡からの夫婦連れは「ヤッパリ商売繁盛してもらわんとね。ラーメン屋ですが、昨日の年越し蕎は蕎屋さんに任せておいて私らは京都に参拝と観光です」と述べ、東京からの4人ずれの若い女性達は「大学の同級生4人組です。ほんと久しぶりに一緒に京都に来ちゃった。願い事? やっぱり家族の健康第一ですね」とみなさんニコニコ顔でこたえていました。
 地元伏見の家族連れは「伏見ですが、僕たちは結婚ホヤホヤで新居は上桂。今日は両親のもとに帰省して近所のお稲荷さんにお参りです。今年も、両親と僕たちの健康が一番の願いです」と笑顔でこたえていました。
 社務所では「しるしの杉」「福かさね」や「達成のかぎ」など絵馬付きの守矢を授与してもらったり、おみくじを引いて吉凶をうらなっていました。また、参道の店では「福あつめ熊手」・「吉兆」や「招き猫」などを購入する参拝者、おでん・焼き肉・たこ焼きなどの露天も賑うなど、正月気分満開といった今日の正月風物詩です。(仲野良典)
「君がためみたらし川を若水にむすぶや千代の初めならん」(俊頼)
「あらたまの年たちかへるあしたよりまたるるものは鶯のこゑ」(素性法師)