20140428-02.jpg 春の日差しがいちだんと濃くなって、草花が一斉に花をもたげるようになった4月下旬。桂川や宇治川に鴨川の土手にも雑草達が元気に花を咲かせています。写真は、鴨川が桂川に合流する地点から少し上流の土手に咲いているサーモン色のナガミノヒナゲシ(ナガミヒナゲシとも)と真っ白なシャガが競演しているところです。
 ナガミノヒナゲシ(長実雛芥子、長実雛罌栗:学名=Papaver dubium)はケシ科の一年草。原産は地中海沿岸から中欧で、日本には東京で1961年に確認されて以来、各地に広がって最近ではどこにでも見られるようになった雑草化した帰化植物です。ヒナゲシより少し小さめで、実が長めなのでこの名が付いています。1つの種に1500ぐらいの種(細かい芥子粒)が入っており、これが四方八方に散り爆発的に増えて生態系を乱していると警戒されています。鴨川でも桂川合流地点から急速に北上して丸太町大橋附近でもちらほら見かけるようになりました。
 
 ケシ科には多種多様な種類があります。いずれもとてもきれいな花が咲かせて園芸にはもってこいの花です。ところが、モルヒネ(阿片が原料)を含むケシがあって麻薬取締法違反で栽培禁止。一方、シベリアヒナゲシ(アイスランド・ポピー)、オニゲシ(オリエンタル・ポピー)やヒナゲシ(シャーレイ・ポピー:虞美人草)やナガミノヒナゲシなどはモルヒネをふくまないので栽培できます。一般的な見分け方は茎葉に細い毛があるポピーは栽培可能です。
 シャガについての説明は、4月14日付けWEB「西山麓の亀甲竹とシャガ」に簡単にしていますので見てください。
 
 暖かく、日も長くなって草木の花も色とりどりに一斉に咲いてこころも自然と明るくなりますが、一方、5月3日は憲法記念日。国民主権、基本的人権、積極的非軍事平和、地方自治、議会制民主主義など世界に誇る日本国憲法の花々を今こそ、多くの人々の運動で鮮やかにいっぱい咲かせたいですね。(仲野)
 「相ゆれてひなげしの花二つかな」(一草) 「僧になる子の美しや芥子の花」(一茶)