新・生存権裁判 昨年8月からの生活保護費引き下げは、憲法25条が保障する生存権を侵害するとして、京都府内に住む40人が25日、京都市などに引き下げ処分の取り消しを求めて京都地裁に提訴しました。
 訴状では、受給者の生活実態を踏まえず厚生労働省が恣意的なデータに基づき、生活扶助を3年間で670億円(平均6・5%、最大10%)という過去に前例を見ない大幅削減をしたと批判。その結果、受給者は憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を営むことができなくなったと述べ、引き下げの取り消しと減額方針を決めた国に対して、1人1万円の慰謝料を求めています。
 提訴後、京都弁護士会館で開かれた集会には、原告団をはじめ支援者ら約70人が参加。原告の竹井登志郎さんは「夫婦2人で月1万円余りが削られた。水光熱費を削り、風呂には3日に1回しか入っていない。これが文化的生活なのかを裁判で問いたい」と訴えました。
 原告団の尾藤廣喜弁護士は、「提訴は全国で行われ、原告の合計は500人を超える空前の規模になる。老齢・母子加算の削減・廃止の違憲性を訴えた生存権裁判に続く、新・生存権裁判として位置づけ、貧困を社会からなくすため闘いたい」と訴えました。