向日市内の「イオン向日町店」(店舗面積1万4276平方メートル)が今年5月に閉店することがこのほど判明しました。府内最大の小売店舗「イオンモール京都桂川」(京都市南区・向日市、店舗面積7万7000平方メートル)が昨年10月にオープンし、売り上げが減少したことが原因です。周辺住民や商店主からは不安の声が上がっています。

イオンモール開業で売上減少

イオン向日町
 閉店は昨年12月25日、運営する「イオンリテール(株)」(千葉県)が同市に報告したことで判明したもの。
 同店のある建物は1970年に「ニチイ向日町店」としてオープンして以降、阪急東向日駅周辺の商店街の中核的な小売店でした。同社の広報担当は閉店理由について、建物が築30年以上になり改装が必要だが、「イオンモール京都桂川」の出店により売り上げが落ち、「改築に投資しても回収できないと判断した。何らかの小売店舗を出して再開したいが、まだ検討中」と述べています。
 同店は「イオンモール京都桂川」から約1.5キロ地点にあります。足の悪い女性(65)は、「『桂川』に歩いては行けないし、店舗が広すぎて買い物できない」と話します。また同市出身という男性(41)は、「『ニチイ』のころから利用している。この場所にスーパーがないと、東向日がさびれてしまうのではないか」と語ります。

「客足遠のく」商店主が懸念

利用者の声を聞くよねしげ府議候補ら利用者の声を聞くよねしげ府議候補ら

 また、周辺の商店主も「お客さんの足が向かなくなる」と声が上がっています。近隣で婦人服販売店を営む男性(65)は、向日町店の客が周辺店舗で買い物をしているとのべ、「ただでさえ消費税増税で買い控えされているのに、さらに客足がなくなる。何とかできないものか」と顔を曇らせます。
 日本共産党向日市議団は昨年12月の閉店が発覚した直後に市長に申し入れし、市による住民説明を要請。今月からは、よねしげ健男府議候補とともに連日、閉店問題についてのアンケート調査を実施し、「5月の閉店に向けて利用者、従業員、周辺の商店主の方はぜひ疑問、不安の声をお寄せください」と訴えています。(「週刊しんぶん京都民報」2015年1月18日付掲載)