地域資源生かし再生を 「自治体消滅」論に対抗、南山城村でまちづくりシンポ
会場となった南山城村は「消滅自治体」とされた府内6町村の1つ。手仲圓容村長があいさつし、安倍政権の打ち出す地方創生が人口減への対応を地方自治体に求めていることについて、小泉政権以来の規制緩和や非正規雇用の増大が地方の少子化を生み出していると述べ、「(国が原因のものを)『地方でがんばれ』とはならない」と批判しました。
シンポは、木津川市と相楽郡の精華町、和束町、笠置町、南山城村の5市町村、京都府、京都やましろ農協などが後援しました。
ふるさと再生京都懇談会の田中康夫代表世話人をコーディネーターに、京都やましろ農協の吉岡克弘理事、NPO法人わづか有機栽培茶業研究会の馬場正実氏、南山城村の森本健次・魅力ある村づくり推進室長、笠置町南部青年団の向出健氏らが討論しました。
馬場氏は、府内最大の茶生産量を誇る和束町の茶畑をインターネットで紹介し、援農アルバイトを募集して、大学生や外国人留学生を受け入れていることを紹介。その中で新規就農者が生まれた経過を語り、さらに京都府景観資産を初登録した取り組みでお茶の情報を発信しようと考えていると話しました。
向出氏は昨年、出生ゼロだった笠置町で、青年団の活動が町出身の青年のコミュニティの場となり、Uターンを促す要因になっていると指摘。「空家バンクなどを充実して、入居しやすい環境づくりが必要」と語りました。
会場から、「南山城村を舞台にした小説の映画化で村を盛り上げたい」「合併して木津川市になり人口が半減しているが、若手農家をつくりたい」などの訴えが相次ぎました。田中氏は、「住民は地域資源を生かして発信している。行政が何を支援できるか考えなければ」と述べました。(「週刊しんぶん京都民報」2015年2月22日付掲載)