北野天満宮の見事な梅
2月下旬となり、上京区に鎮座する通称「北野さん」で親しまれている北野天満宮の白梅と紅梅を求めて参拝客がたくさん訪れています。境内には50種約1500本の梅があります。早咲きは12月中旬頃からぼちぼち咲き始めますが、2月の中下旬から境内一円の梅が一斉に咲き始め、中咲になり見頃になります。そして観梅で訪れる人やちょうど受験シーズンで合格祈願の修学旅行生たちも訪れて境内は賑わいます。
大鳥居からの石畳参道突き当たりにある門(桜門)柱には同神社を祀っている菅原道真が都から九州太宰府に左遷されるときに詠んだ「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」(今風意訳:春に東から風が吹くようになったら、梅の花のいい香りを九州までとどけておくれよ、私(道真)がいなくなってもきっと春を忘れないで)の歌詞が高く掲げられています。
参拝客はしばし立ち読んで境内に入っていきます。広島からきた女性は「門から入るといい香りがしました。これから仁和寺界隈に行こうと思っています。京都はいつきてもいいですね」と述べていました。長岡京からの二人連れは「小雨の中に咲いている白梅もとても風情があります」と笑顔で話していました。
同天満宮の梅林は、桜門前の左手の梅苑と梅花祭中には梅庭に上七軒の芸舞子による野点(抹茶)の接待もあります(どちらも有料)。拝殿(社殿=国宝:豊臣秀頼造営)外回りの見事な白梅・紅梅の梅並木は自由(無料)に観梅できます。(仲野良典)