「おぜんざいのお母さん」 永原誠・京都原水爆被災者懇談会世話人代表、立命館大学名誉教授
私たち京都府に住んでいる被爆者にとって衣笠さんはおぜんざいと結びついています。それはそれはおいしいぜんざいです。
もう20年を超えますけれども、毎年クリスマスの前後に、「クリスマス被爆者を励ます集い」がラボールのホールで開かれます。母親連絡会の他6つの女性ばかりの団体が実行委員会を作って私たちを励ましていただく集いなんです。
午後早く、始まる前に寒い外から入ってホールに着きますとまず最初に励ましていただくのがぜんざいです。これ本当においしいぜんざいです。裏方から朝早くから来られてこのぜんざいを調理、味付け、そして配膳して、私たちに「寒いでしょ」といって配っていただく。その裏方の下締めの1人をやっていただいてきたのが母親連絡会の事務局長としての衣笠さんなんです。
私たち被爆者60年前の戦争の苦難をいまだに背負って生きている。その私たちに対する激励と理解と共感がこもっている温かさを毎年ぜんざいから味わっています。その衣笠さんが今度知事候補に立候補を決意されました。私たちにとってとてもとてもうれしいことであります。私たち現在1400余りの被爆者が京都府に住んでいますけれども、「おぜんざいのお母さん」「おぜんざいの衣笠洋子さん」そういう合言葉で衣笠さんへの支持を広げていきたいと思います。
おぜんざいが象徴しているような普通のお母さんの目線で、戦争の苦しみ、戦争が残した様々な苦難を理解され、戦争のない平和な日本を守り抜こうという決意を隠していらっしゃることは私たち被爆者が補償できます。府民の圧倒的多数の心の中には「戦争はもういやだ」「平和は守り抜かなければいけない」「平和な日本、いつまでも続けていこう」気持ちがあると思うんですが、衣笠さん、きっとその期待に応えられると思います。
私たちも府民の圧倒的多数が心に隠している平和への願いを掘り起こすために努力したいと思います。衣笠さん必ず知事になってください。衣笠知事に当選いたしましたときには、お忘れなくおぜんざいの味付けの秘けつを誰かに伝えておいていただきますようよろしくお願いします。