かつて糸問屋が軒を連ね、辻を行きかう商品の価値が毎日千貫千両になったとして「千両ケ辻」と呼ばれた上京区今出川大宮周辺。地元商店主らが23日、「伝統文化祭 千両ケ辻」(同実行委員会主催)を開きます。
 今出川大宮を下がった薬師町、北之御門町、石薬師町の23店舗が協力。店に代々伝わる古文書や屏風(びょうぶ)などの展示や町家や庭(写真は村岸家)の公開がされるほか、地元の写真家・水野克比古氏の写真展、小音楽会、劇団員による朗読、和装雑貨の安売りなども行われる予定です。近隣の清明神社の大祭と重なっていることから、少年鼓笛隊の行列や御輿なども見られます。
 もともと3町を含め周辺は「糸屋八町」と呼ばれ、春の今宮神社の祭には、祗園祭のような屏風(びょうぶ)を披露する屏風祭が行われていたほか、夏には菊人形のように、糸を使った糸人形が飾られた地域。繊維業界の衰退とともに、風習も廃れていきました。
 新たに移り住んだ染色家の南進一郎氏や写真家の水野克比古氏らが「地域に活気を取り戻そうと」が呼びかけ、3年前から祭を始めました。
 南氏は、「行政や大手企業のスポンサーをつけず自分たちだけで作り上げる祭。地域の結びつきが強まり、活気が出てくることになれば」と語っています。
 午前10時から午後5時まで。事務局=「町家deほっ」TEL075・451・0325(南氏)。