京都に江戸時代から伝わる篆刻(てんこく)の屋号「鮟鱇窟(あんこうくつ)」の代表・水野恵さん(75)=大津市=の俳句、書、絵画、篆刻4分野の作品を一度に展示する「水野恵 詩書画印個展」が、24日から11月4日まで、京都市中京区の「ギャラリー高倉通」(京都文化博物館東側)で開かれます。同ギャラリーが柿落しに企画・開催するものです。
 中国の文人が詩、書、画、印に卓絶した「四絶(しぜつ)」を目指し、研さんを重ねる習いに従い水野氏が自らの成果を見てもらおうと準備したもの。
 俳句100句、書5点、水彩画7点、篆刻19点を展示します。書は3種類の墨を駆使して濃淡をつけ立体感あふれる作品に仕上げたものを披露するほか、水彩画は菅生石仏(大分県豊後大野市)など風景画、篆刻は、洒脱(しゃだつ)な言葉を彫ったもの(1辺約3センチ大から8ミリ大)を準備しています。
 水野氏は「日本で四絶を目指した文人は、頼山陽や富岡鉄斎ぐらいでしたので、個展で詩書画印展を開くのは私が初めてだと思います。今回の個展で、詩、書、画を修めて本物の篆刻が出来るという考えを知ってもらい、後々本当の文人が現れる引き金の役割を果たせればと思います」と語っています。
 午前10時半から午後6時半。ギャラリー高倉通TEL075・221・3390。