桂米朝師匠、お帰りなさい 退院後、京都で初高座
胸椎(きょうつい)圧迫骨折で療養していた落語家・桂米朝さん(80)が25日、京都市上京区の府立文芸会館で開かれた「米朝落語会」(京都ミューズ主催)に出演し、約350人の観客の前で退院後、初めて演目を披露しました。
お囃子とともに舞台に現れた米朝師匠は、一段と大きな拍手で迎えられ、噺のまくらで「夏から体調をくずし、えらい病人扱いされて困りました。(高座に)出んと体が悪うなる」などと笑いを誘い、元気な姿をアピール。予定していた小噺「よもやま噺(ばなし)」を急きょ変更し、演目「鹿政談」を口演しました。
「鹿政談」は、奈良の豆腐屋が”雪花菜(きらず)”(おから)を食べた神聖な鹿を誤って殺し、裁きにかけられたものの、奉行からは、豆腐屋だけに「(首)を切らず(きらず)にやる」と言いわたされる話。悪をくじき弱きを助ける風刺の効いた演目で、観客を沸かせました。
終演後、ロビーには演目を知らせる手書きの張り紙が出され、観客らは「雑談だけと思って来たが、予定外の演目をやってくれたんやなぁ」などと話していました。