経営者の戦争体験聞く 中小企業政経研
中小企業の経営の発展と政治経済の革新をめざす中小企業家でつくる京都中小企業政経研究会(政経研)は4日、京都市内で例会「戦争体験を語る」をおこない、21名が参加しました。
代表世話人の野田宗一氏(86)、(株)第一印房代表取締役会長の中野博之氏(78)がみずからの戦争体験を語り、当日病気のため欠席した代表世話人の夏梅誠一氏のシベリア抑留体験記「“棄民”のあしあと」の朗読も行われました。
野田氏は、「少年航空隊にあこがれて海軍に入隊し、敗戦直前に広島で人間機雷・特攻『伏竜(ふくりゅう)』隊の訓練中に原爆の閃光とキノコ雲を目撃した。特攻隊出撃のため高知へ配属される前日に終戦を迎えた。国と天皇のために死ぬことを当然視する教育は本当に恐ろしい」と語り、「憲法九条を変えようとする動きに死んでも死に切れない思いだ。生涯かけて憲法を守り抜きたい」と訴えました。
中野氏は、平安中学在学中に尼崎市の住友金属工業に学徒動員された体験を語りました。朝鮮半島から強制連行された約200名の労働者が、私信の検閲など厳しい監視下で働かされていたが、日本人監督の差別と抑圧に反対して立ち上がったことや、動員された日本人学徒の中からも「住友財閥、軍閥を倒せ」の落書きがされたことなどを生々しく語りました。
京都中小企業九条の会事務局からは、京都と全国の運動の現状が報告され、中小企業分野での[九条の会}の活動をいっそう強化することを確認しあいました。