“憲法の源流”発信したい 中村純さん『憲法と京都』出版記念会
福島第1原発事故を機に東京から京都に移住した詩人の中村純さんが、このほど『憲法と京都―京都の15人が、憲法を語り行動する』(かもがわ出版)を出版しました。16日に、京都市左京区の法然院で出版記念会が開かれました。
東京で生まれ育った中村さんは12年、京都市に移住。京都出身の連れ合いが小学校で憲法をしっかり学んでいたことや、蜷川民主府政が府庁に「憲法を暮らしの中に生かそう」の垂れ幕を掲げ、「ポケット憲法」を発行したことなどを知り、京都の人々の中に憲法が息づいていることに感動。改憲への動きに抗い、日本国憲法を広く発信していこうとインタビュー連載を企画しました。
「安保関連法に反対するママの会」発起人の西郷南海子さん、歌人の永田和宏・京都大学名誉教授ら13人を取材し、通信販売カタログ誌「通販生活」誌上と同ウェブ版に記事を連載。「いま憲法市長」を掲げ京都市長選挙に立候補を表明した京都教育センター事務局長の本田久美子さんのインタビューと自らの思いを加筆し、出版にこぎつけました。
同書には、旧「満州」からの引き揚げや空襲の体験、戦争放棄が書かれた日本国憲法公布時の思い出、京都の小学校で学び「青少年の主張」で反戦の決意を語ったエピソード、「教え子を再び戦場に送らない」のスローガンを掲げた教職員の議論、安保法制反対に立ち上がった思いなど、一人ひとりの体験を通じて、憲法が生まれ、育まれていった叙事詩が編まれています。
出版記念会で中村さんは、「昨年2月に京都市左京区で開催した憲法カフェの場で、京都府職労連がポケット憲法を再版したことを知り、京都での憲法教育の源流に気づいた。憲法水脈をすくいとり京都から全国に発信したいと思った」と連載開始の動機を話しました。
取材を受けた人々や、法然院の梶田真章住職、森吉治・京都府職労連委員長らが平和や憲法への思いなどを語り合いました。本田久美子さんのメッセージも紹介されました。