門川市政にもの申す―市営保育所民間移管は保育崩壊招く
■京都大学准教授、元京都市営保育所移管先選定部会委員・大倉得史さん
市はすでに4カ所の市営保育所を民間移管し、2019年度までに新たに6園を移管する方針を決めています。昨年度までの3年間、移管先を審議するための委員を務めました。市の主張や現状を知れば知るほど、これ以上の民間移管はやるべきではありません。
市は、民間移管の理由を市営が高コストだからだと言います。しかしコストの中身は、保育士が安心して働くのに当然必要な人件費や、民間で受け入れが困難な障害児や被虐待児に対応する費用、育児に悩みを持つ親を支えるための費用です。
コスト論だけで保育を推し進めていけば、保育の質の低下を招き、京都の保育は崩壊しかねません。
実際、民間移管された保育所でのアンケート調査では、約半数近い保護者が「子どもの様子が変わった」などと回答し、移管先の保育になじめず転園を余儀なくされた子どももいます。十分な検証も行わず、保育の質の低下に構わず移管を進めていく無責任な市の方針は、子どもの生命をも脅かすものです。
保育の質を守っていく上で、市営保育所の役割は極めて重要です。市営保育所を堅持し、子どもの育ちを保障する市政になってほしいと願います。
(「週刊しんぶん京都民報」2月7日付より)