隅田川「屋形船」で何の会議!? 自民・二之湯議員のデタラメ政治資金、市民も批判「庶民感覚ない」
(二之湯氏が「会議」に使用したとされる屋形船。隅田川からスカイツリーを眺めることができます。〔運航会社のホームページより〕)
■飲食代など500万円以上
二之湯氏は合計で3億7000万円を超える企業献金と政党助成金を受け取り、その政治資金の一部を「飲食代」や「挨拶品」の名目で支出(本紙6月5日付で既報)しています。政党助成金を受ける「自民党京都府参院第三選挙区支部」の閲覧可能な3年分(2012~14年)のみで、飲食費、挨拶品、慶弔費などの「交際費」は総額526万円にのぼります。
東京・隅田川の「屋形船」運航会社に5万7500円、都内の焼き肉店で16万円支払うなど、飲食費は117回で253万円。「挨拶品」は漬物店で45万円、和菓子店に16万円を支出するなど、総額125万円にのぼります。
また新たに、日産の最高級車「プレジデント」を30万円で東京都の学校法人から購入(12年)したことが分かりました。
(屋形船運航会社の領収書)
■出所不明金1000万円超
政治資金の「不明金」も問題となっています。市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)は3月、二之湯氏の政治資金に総額1030万円の虚偽記載があるとして京都地検に告発。告発文では、二之湯氏が代表の「第三選挙区支部」「自民党京都府大都市政策推進支部」と、資金管理団体「新政経懇話会」の3団体間などで「出所不明」の闇金・裏金があったとしています。
これまで二之湯氏が集めた企業・団体献金は、総額2億1247万円。府内国会議員では、伊吹文明衆院議員に次ぐカネ集めを行っています。
二之湯氏の政治団体が14年、献金を受けた企業は83企業、1436万円。主な企業に、愛媛県の建設会社「西田興産」が120万円、京都市右京区のIT企業「アルバス」が60万円、同右京区の電子部品大手「ローム」が30万円と、府内だけでなく大阪、広島、東京など全国の企業から献金を受けています。
■企業献金も政党助成金も
多額の企業献金を受けながら、国民の税金が原資の政党助成金は総額1億6200万円を受給しています。
そもそも政党助成金は「将来的に企業団体献金を禁止する」ことなどを目的とした「政治改革」の一環として95年から実施されたものですが、日本共産党を除く政党のほとんどが「二重取り」を行っています。
政党助成金の使い方も問われています。政党交付金使途報告書によると、二之湯氏の政治団体6つが事務所としている右京区のビルの家賃月約12万円や、人件費(14年は160万円)などに支出。最も支出が多いのは機関誌「えとす」の発行費で、14年だけで895万円にのぼります。「えとす」やHPでは、「年間購読料・1200円」としていますが、印刷・発送費のほとんどを政党助成金で支出しています。
■おかしな政治の元凶 NON STOP KYOTO・河本真智子さん
屋形船で飲み食いしても構いませんが、なぜ政治資金を使うのか分かりません。ポケットマネーで支払うのが常識だと思います。
私は妊娠・出産を機に昨年、仕事を辞めました。10カ月の子どものおむつ、ミルク代など様々なものにお金がかかり、大変です。たくさんの企業献金をもらい、政治資金で飲み食いしている人に、こうした庶民の感覚は分からないのではないでしょうか。
こういう政治家たちが、「軍事費や公共事業には湯水のようにお金を使い、福祉のお金はケチる」―今の政治をつくっているのではないでしょうか。
(「週刊しんぶん京都民報」7月3日付より)