GWに楽しむユニーク私設博物館 ③おもちゃ映画ミュージアム・京都市中京区
■映して撮って フィルムを楽しむ
「映画のまち」京都に開館して2周年を迎える「おもちゃ映画ミュージアム」。110年以上前にさかのぼる映画やアニメのルーツを学ぼうと、染工場だった京町家で、貴重な動画装置や映写機を展示しています。
映画研究や映画祭、フィルムの復元にたずさわる大阪芸術大学の太田米男教授(67)が、「より多くの人に、映画の歴史と楽しさを味わってもらいたい」と「京都映画芸術文化研究所」を立ちあげ、15年にオープンしました。
テレビのない時代に、切り売りされたフィルムを家庭でも楽しめるよう考案された手回しの映写機、残像現象を利用した動画装置は実際に自分で動かすことができます。さわったり、展示物を撮影できる珍しいミュージアムです。
太田さんは、フィルム映画を文化遺産として重視する欧米に比べ、日本では、重要文化財指定されたフィルムが3本(東京国立近代美術館フィルムセンター)しかないことを指摘し、文化財として後世に引き継ぐ必要性を強調しています。「家庭に残るフィルム映像も歴史や生活の貴重な記録です。捨てずに残してほしい」と話しています。
同ミュージアムでは家庭で撮影した16㍉、8㍉フィルムを持参して上映できるほか、フイルムに絵を描いて4~5秒のオリジナルアニメ作りを楽しむこともできます。
なお、開館2周年記念として18~21日の来館者に、戦前のアニメ「仇討道中双六」のキャラクター「底抜ドン助」が描かれたおちょこがプレゼントされます。各日先着10人。21日は所蔵アニメの上映会あり。
開館=月・火曜以外、10時半~17時。料金=高校生以上500円、中学生300円、小学生以下無料。京都市中京区壬生馬場町29─1。☎075・803・0033。
(*)国際博物館の日 博物館が社会に果たす役割を広く普及啓発することを目的に、ICOM(世界の博物館関係者で組織される国際博物館会議)が1977年に制定。
(写真=マジック・ランタン〔幻灯機〕やさまざまな玩具映写機と太田さん)
(「週刊京都民報」5月7日付より)