京都市が、市美術館敷地内に展示されている彫刻家・富樫実氏の寄贈モニュメント「空(くう)にかける階段’88-Ⅱ」を5つに分割して移設する工事を強行したことを受け、市民や芸術家でつくる「京都市美術館問題を考える会」は10日、同館前で工事中止と作品の保存を求める宣伝をしました。

 敷地の一部は工事用フェンスで囲われ、富樫氏の作品の横には、移設用の鉄骨が建てられていました。

 この日の行動には約20人が参加。「壊すな」「ストップ」などと書かれて旗やビラを持ってアピールしました。

 マイクを握った京都彫刻家協会会長の江藤佳央琉さんは「作品を分断するなど、破壊するのと同じことだ。こんなことをすれば、京都市は文化都市ではなくなる」と訴え。「会」代表の貴志カスケさんは「美術館が美術作品を壊していいのか。自身の名をおとしめることにしかならない。市民のみなさんは、作品を壊すなの声を上げてほしい」と呼びかけました。