日本共産党京都府委員会と同党京都市議団は6月22日、このほど発表した「民泊問題の見解と呼びかけ(案)」(下記に別掲)の記者会見を京都市役所内で行いました。

■違法対策、市長の姿勢問われる

 穀田恵二衆院議員・国会対策委員長が参加し、▽「違法民泊」の取り締まり強化▽国会質問で明らかになったこと▽日本共産党の「緊急提案」―を柱にした案文を説明しました。その上で、「政府は民泊新法で、取り締まり強化ができると説明するが、それが本当に可能なのか疑問だ。今後制定される政省令や自治体の条例で、規制の強化を求めていく」と強調。門川市長がマンションやアパートの民泊は条例で制限するとしていることに触れ、「市長の姿勢が問われている。条例でやるべきことはしっかりやってもらう」と述べました。

 会見には、ちさか拓晃・衆院京都2区候補、市議団の民泊プロジェクト責任者の蔵田共子市議、井坂博文市議団幹事長、加藤あい市議が参加しました。

1、広がる「違法民泊」~違法・脱法行為は、厳しく指導し取り締まるべき
 ①旅館業法上の「許可」を取ったのは、わずか「1・8%」(全国調査)
 ②自然景観、職住近接で育まれた京のまち―「まちに住民が住めなくなる」
 ③法を守り、地域に根ざす業者も―「民泊新法」(住宅宿泊事業法)であえて「違法」を広げる必要はない
 ④「民泊新法」は安倍政権の「成長戦略」の一環で、観光の持続的発展にも逆行
2、日本共産党の国会質問で何が明らかになったか
 ①質問をうけ、国が地方自治体に「旅館業法の遵守」を通知
 ②「旅館業法の基本哲学を実現していく」(塩崎厚労大臣)と答弁 
 ③世界の流れは、「都市部への民泊進出」を抑制
 ④「違法民泊」の横行は、観光の発展にも逆行
3、住民の暮らしと京都のまちを守るために~日本共産党の「緊急提案」
 「民泊新法」は、住宅地における「違法民泊」を「届出」だけで認め、規制の枠を取り除いて「適法」とするもので、日本共産党はその制定に対して「断じて認められない」と反対してきました。
 同時に、新法の制定にあたって、関連する政省令や都道府県及び政令市の独自条例において規制を強化することは可能です。
 こうした立場から、日本共産党は、次の諸点を強く要求します。 (1)違法・脱法民泊を厳しく指導し取り締まるため、「民泊対策室」や保健所職員の抜本的増員
 (2)営業日数について、新法では「180日制限」となっていることについて、条例で、「30日」などの営業日数を定め、「住居専用地域」を良好なホームステイ以外の「民泊営業を認めない地域」として設定すること。また、京都市長は「民泊新法制定後も、住居専用地域内のマンションなど集合住宅の一室の民泊化は認めない」(昨年8月31日「記者会見」)としており、この実行
 (3)外国人の場合、パスポートの提示とコピーをとることも含め、対面確認と名簿管理、「家主不在型」の民泊もふくめた「常駐体制」、苦情処理や24時間の相談・対応体制の確保
 (4)「延焼可能性」や「避難困難性」が高い密集住宅地について、条例により地域を限定して指定し、営業日数を厳しく制限する。また、オール電化、排煙設備や防火素材、消火器設置などの防火措置、住宅の耐震補強などについて、独自の基準をつくること
 (5)条例により、地域住民への事前説明の実施、町内会、自治会と事業者、そして管理業者の三者による「協定(書)」締結を義務づける
 いま、この京のまちが、「違法民泊」の進出とこれを「合法」とする民泊新法制定により、歴史的な危機に直面しています。日本共産党は、引き続き住民のみなさんと力をあわせ、「京都のよさ」「住みやすさ」を守り、そのことがより京都の魅力を際立たせ、京都観光のいっそうの発展につながるよう、全力を尽くして奮闘します。

(写真=記者会見する〔左から〕ちさか、穀田、蔵田の各氏